“コラム” 名古屋名物『モーニング』
「コーヒーを頼んだだけなのに、勝手にトーストとゆで卵が付いてきた!」と、他の県の方達から驚かれる、名古屋地方の”モーニング”。
発祥の地は名古屋市の北に位置する一宮市だといわれています。
最古のモーニングは昭和31(1956)年に誕生していた
モーニングが始まった経緯について。一宮は全国的にも有名な繊維の町であり、昭和30年代は繊維業の全盛期でした。あちらこちらに機屋(はたや)さんがあり、機織りの機械がせわしなく稼働していました。全国からいろいろな業種の方々が打ち合わせなどで訪れる際に、社内では機械の音がうるさくて商談ができず、喫茶店を会議室や応接室代わりに利用する会社が多くありました。こうして頻繫に利用してくれる機屋さんに何か還元しようと、喫茶店側が始めたのがモーニングだといわれています。
常連さんへのちょっとしたお礼の気持ちがモーニングの始まりというわけです。
一宮から長者町に伝わり、名古屋全域に広がった
近所の人たちとゆるやかにつながり、心に潤いをもたらす場が喫茶店。迎える喫茶店側が、来てくれるお客さんに満足してもらいたくて始まったモーニング。
おもてなしの精神から始まったサービスが食文化として認識されているのは、愛知の人が自慢すべきことではないでしょうか。