平成~令和へ
『時に、初春の令月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す。』
皆様御存じの通り、2019年5月1日より、元号が平成から『令和』に変わります。上記の和歌は、その令和の典拠となった万葉集の序文です。
『令月』と言う意味には、『何事をするにもよい月、めでたい月』という意味があるようです。
では、30年近く慣れ親しんだ『平成』という言葉にはどんな意味があったのでしょうか・・? 平成の由来は『書経』という中国の歴史書の『地平大成』から引用されたと言われています。意味は『天地、内外共に平和が達成される』です。
普段は年号の意味を意識しておりませんでしたが、改正を機に、元号の意味を考えるようになり、人々が皆、心から平和を願っているのだということを感じました。
現在の世の中は、テロに無差別殺人、家庭内暴力に虐待、いじめに自殺、悲しいニュースであふれています。生きにくい世の中のようにも感じます。
ご高齢の患者様から聞くお話の中に、『こんなに幸せな世の中なのに、何が不満なんだろう。皆、普通の暮らしが送れるだけでも幸せなのに。』と言ったお言葉をよく耳にします。
確かに、昭和の時代には戦争があり、日々を生きていくことに精一杯の時代だったとお聞きします。
平成の世は、文明も化学も急激に進歩し、物にも情報にもあふれ、昭和の時代に比べると十分すぎる位の生活をすることが出来、幸福感を感じにくい時代であったようにも思います。
天災や病気など、無くすことが出来ない悲しみもあると思います。
しかし、人の手によって作られる悲しみは、一人一人の心がけで減らすことが出来るのではないかと思います。
このように、時代の変化や大切にしていかなければならないことを教えて頂ける、ご高齢者との関わりを持てる職種である幸せを、日々感じております。
『令和』の新しい時代が、皆様にとって良き時代となりますように、心から祈っております。