血圧を決める要素
血圧とは血管壁(動脈)が押される力(圧力)で、『血圧 = 心拍出量x末梢血管抵抗』で表されます。心臓が一回の拍動(ドクンと収縮する動き)で血液を送り出す量のことを「1回拍出量」といい1分間に血液を送り出す量のことを「心拍出量」といいます。したがって『心拍出量 = 一回拍出量 x 脈拍数』で表されます。
末梢血管(毛細血管)抵抗とは末梢血管(毛細血管)に血液が流れ込むときに受ける抵抗のことです。末梢血管(毛細血管)が収縮したり、狭くなったり、血液がドロドロだと抵抗が強くなります。すると、血液が流れにくくなり、心臓が強く打つことで末梢血管(毛細血管)に血液を流そうとします。そして、血圧は上がります。また、体の中を循環している血液の量が減ると血圧は下がります。例えば大出血をすると血圧が著しく低下しショック状態となります。逆に量が多いと血圧は上がります。
また、動脈硬化(血管の弾性が失われて固くなったり、コレステロールなどが血管内に沈着し狭窄すること)も血圧上昇の原因となります。動脈硬化により血液が流れにくくなり、血圧が上がります。すると、さらに動脈硬化が進展し悪循環になります。
血圧を決める主な5つの要素は心拍出量、末梢血管抵抗、循環血液量、血液の粘着度、 大動脈の弾力です。
ここでお気づきの方も見えるかもしれませんが、前述した2つの式を合わせると『血圧 = 心拍出量(一回拍出量 x脈拍数) x 末梢血管抵抗』になるので脈拍数も血圧に影響するのでは?と当然考えるでしょう。しかし基本的には脈拍数はが多ければ一回拍出量が減少し、少なければ一回拍出量は増加するので心拍出量にはほぼ影響しません。