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認知症『予防可能な因子』

認知症の原因となる主な疾患には、脳血管障害、アルツハイマー病などの変性疾患、正常圧水頭症、ビタミンなどの代謝・栄養障害、甲状腺機能低下などがあります。脳血管性とアルツハイマー型で全体のおよそ8割を占めます。高齢者が最もなりたくない病気と言われていますが、今や65歳以上では10人に1人、80歳以上では4~5人に1人が認知症であり、誰もがなりうる病態です。

アルツハイマー型認知症の危険因子

アルツハイマー型認知症は、認知症の原因疾患の中では最多です。しかし、アルツハイマー型認知症の病気の原因は、現在まだ分かっておりません。危険因子としては、遺伝因子(遺伝要素、家族歴)と環境因子(加齢・高血圧・糖尿病・脂質異常症・食生活・運動不足・喫煙・頭部外傷)に分けることができます。近年の研究では、遺伝因子よりも環境因子による影響の方が発症に大きく関わっていると考えられています。

脳血管性認知症の危険因子

脳血管性認知症は、脳の血管障害で起きる病気です。危険因子としては、飲酒、喫煙、高血圧、脂質異常症、肥満、
心疾患などがあげられます。

以上より、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の危険因子はほぼ共通であることがわかります。そこで予防可能な7つの因子について個別に説明します。

①高血圧

血圧は、脳血管性認知症の大きな危険因子ですが、アルツハイマー型認知症の危険因子でもあります。塩分過多、血管の老化に十分に注意を払い、高血圧を予防することが大切です。中年期から気をつけて治療することが推奨されています。

②糖尿病

糖尿病は、認知症(アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、前二者の混合型)発症の危険因子です。これもやはり、中年期においての厳密な治療が推奨されています。普段から野菜、青魚、海藻等を多めに取り、食事の量をコントロールして糖尿病を予防することが大切です。

③脂質異常症

脂質異常症は、脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症の危険因子とされており、特にアルツハイマー型認知症の約半数の方が脂質異常症を合併しています。中年期での厳密な治療が望ましいとされています。

④運動

定期的な運動は高齢者の認知症予防や認知機能低下を抑制するとし、強く推奨されています。また、既に発症したアルツハイマー型認知症の進行を抑制する二次予防にも効果があるとも言われています。運動による効果として、脳血流の増加、血圧の降下、脂質異常症の是正や、血液をサラサラにする、神経成長因子の増加、肥満抑制などが考えられています。適度な運動は日頃から実践するとよいでしょう。

⑤喫煙

喫煙は、アルツハイマー型認知症の発症を高めるといわれます。自らタバコを吸う能動喫煙だけでなく、非喫煙者、つまり受動喫煙、であってもタバコから出る有毒物質の影響を受け、アルツハイマー型認知症の発症率は高まります。

⑥知的生活習慣

社会参加・余暇活動・精神活動(感情や思考、創造)は身体活動・知的刺激・感動など複合的な要素を有しているため、認知症、高齢者の認知機能低下の予防に効果があるとされています。気楽に続けられるものをやってみましょう。

⑦食生活

アルツハイマー型認知症の発症を抑制することがわかっている食物は次のものです。魚(EPA・DHAなどの脂肪酸)、野菜・果物(ビタミンE・ビタミンC・βカロテンなど)、赤ワイン(ポリフェノール)。例えば、1 日に1 回以上魚を食べている人と比べて、ほとんど魚を食べない人は、アルツハイマー型認知症の発症の危険が約5 倍であるというデータがあります。

若いうちから高血圧や糖尿病などのリスク管理を心がけることが大切です。適度な運動、規則正しい生活、野菜・魚を含めたバランスのよい食習慣、積極的に地域や趣味のサークルなどに参加するなど好きなことを続け、新聞や本に親しみ、新しい知識で脳に刺激を与えましょう。

認知症は気づきにくい病気です。高齢者の場合は周囲が見守り、何かおかしいと気づかれたときには早めに医師に相談することが大切です。

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